ライティングのお仕事を探すとよく見る「リライト」の文字。
コピペとは明確に違う作業ですが、実は厄介なことに、リライトの定義を勘違いしているワーカーやクライアントは少なくありません。
そのせいで、ほぼコピペと思われる記事も増え続けています。
知らない間にそんな悪質記事を作らないためにも、正しいリライトについて知っておきましょう。
リライトの定義とは
リライトは元々「リ=再び」「ライト=書く」なので、書き直せばそれはリライトと言えてしまいます。
書き直すということで、リライトの元になるものは1つです。
元々あった1つの文章を書き直して、新しい1つの文章にするということですね。
そう考えるとリライトって、
近くの神社で合格祈願をした
というどこかのブログ記事を、
近くの神社へ行って合格をお願いしました
と書き直す作業なのかなと思うじゃないですか。
とんとん
ちょっといじった程度のものは、「パクリ」「盗用」「ほぼコピペ」です。
よくあるリライト勘違い
リライトでありがちなのは上にも書いたような、文末や単語をちょっといじったものです。「徒歩10分」を「歩いて10分」とかですね。
でもこれはリライトではありません、コピペと変わりません。
ほかにも「風邪を引いたから病院へ行った」を「病院へ行ったのは風邪を引いたから」に変えるといった順番入れ替え法もありますが、もちろんこれもダメです。
なぜダメなのか
ほぼコピペの何がダメなのか。ちゃんと理由はあります。
まずは「ほぼ同じ内容の記事は検索エンジン(google)嫌われるから」です。
ほとんどのクライアントは記事の検索順位を上げたいと考えています。
記事を多くの人に見てもらい、企業やメディアの知名度を上げたり広告収入を得たりするわけです。
ほぼコピペの記事は検索エンジンに見ぬかれ、低品質だと判断されます。
そうすると記事単体が評価されず検索順位が上がらないだけでなく、サイトごと評価が落ちてしまう可能性もあります。
そのためクライアントもしっかりと内容をチェックします。
最近のロボットたちはすごいんですよね。コピペチェッカー(コピペかどうか判断できるツール)も進化しています。
多少見た目を変えたところで内容が同じなのはすぐに分かってしまうんです。
- 文末を入れ替える
- 単語を入れ替える
- 順番を入れ替える
勘違いしている人も多いようですが、これらはすべてリライトではありません。ほぼコピペといったところですね。
ほぼコピペということは著作権侵害の恐れもあります。万が一ほぼコピペの記事が訴えられた場合、クライアントは私たちワーカーに責任を押しつける可能性も。
安易なリライトには大きなリスクがあるのです。
ポイントは著作権
正しいリライトは大きく分けて2種類あります。自分(クライアント)に著作権がある記事をリライトする場合と著作権のない記事をリライトする場合です。
クライアントに著作権がある場合
SEO(検索エンジン最適化)や情報更新のために、クライアントの記事をリライトする場合です。
たとえば私は「サイトリニューアルにともなって全記事リライトします」という案件を見たこともあります。
リライト案件を受注したら「箇条書き+メモのテキストを渡すので記事にしてください」という内容だったこともありました。
どちらもクライアントに著作権のあるものをリライトした、ということになりますね。
元の記事と置き換えるため、この場合に限っては一部を変えて他はコピペや入れ替え法だけを使ってもOKです。
クライアントの要望をしっかり聞き、全体の流れと表現を整えてリライトしましょう。
クライアントに著作権がない場合
気を付けるべきはこちらの場合です。第三者の記事をリライトするのは基本的にNGです。
著作権のある元の記事とリライト後の記事が存在するわけですから、ダメですよね。
ただ、クライアントが「リライト」という言葉を「参考」と同じ定義で使っている可能性はあります。
参考にして、さらに良い記事を使ってほしいという目的ですね。この場合は、コピペにならないように工夫すればOKです。
参考と始めに言ってくれればいいのに……と思いますよね。
記事作成やクラウドソーシングでの発注に不慣れなクライアントも多いので、ワーカーもしっかりと知識を持っておく必要があるのです。
別の記事を参考にして記事を作るときは、「インプット⇒再構築⇒アウトプット」という流れで行いましょう。コピペ記事にならないための3ステップです。
- 【インプット】
元の記事をじっくり読んで内容を頭に入れる - 【再構築】
内容を再構成しできる限り新しい情報を入れていく - 【アウトプット】
元の記事を見ずに新しい記事を書いていく
インプットでは元の記事を読み、何を誰に向けてどう伝えているかを読みとります。
再構築では自分の体験や最新のデータなど、新しい情報を取り入れていきます。もちろん不要な情報やあいまいなデータを消すのも忘れずに。
最後に自分の言葉で新しい記事を作成していけば、コピペにならないリライト記事が作れます。
認識のズレが生むトラブル
リライトの意味が人それぞれであるため、しっかりとしたすり合わせをしないと不要なトラブルを招く恐れもあります。
クライアント側がリライトをコピペ程度に考えている場合、異様に安い単価で依頼を出します。文字単価0.1円以下ですね。
ワーカーからすると割に合いませんし、勉強にもなりません。こんな依頼は受けないほうがお互いのためです。
ワーカー側がリライトをコピペ程度に考えていると、提出後にコピペチェッカーなどで引っかかります。
タスク依頼では非承認、プロジェクト依頼では良くて修正、場合によっては契約解除からのブラックリスト行きです。
そのまま公開されても、著作権の問題でトラブルになるかもしれません。どちらにしても良いことは何もないのです。
トラブルを回避するには正しい知識を身に着けること、そして、クライアントとリライトの意味するところを確認しておくことが必要です。
余計なトラブルを起こさないため、クライアントにリライトの正しい知識がなさそうなら依頼を受けないのが無難ですね。
ちなみに私はクライアントに著作権がある場合を除いて、「リライト」の文字があるお仕事には応募しません。定義をすり合わせるのも面倒ですしね。
石橋は叩いて、怪しければ渡らないことも大切です。
知識は身を守る
リライトに関しては認識に幅があるため、しっかりとしたコミュニケーションが必要です。分からなければ手を出さないという選択もあります。
正しい知識で価値ある記事を作ること、それがライターのお仕事です。
在宅で簡単に始められるからこそ、責任を持ってライティングをしたいものですね。