WELQの事件からさらに風当たりが強くなった「まとめ記事」。
ほぼ引用で自分が考えることが少なく知識も技術もあまりいらないとあって、まとめ記事ライターもかなりの数いるのではないかと思います。
WELQ問題とは・・・2016年末、素人ライターによる不正確な医療記事を多数公開していたWELQというキュレーションサイトが閉鎖となった事件。
▼参考記事
正直私は、書く側としても読む側としてもあまり好きではありません。
だってゴチャゴチャしてるし、「ライティング(執筆)」じゃないんですもん。
著作権もグレーな気がするし、まとめ記事で検索かけると「まとめ記事 うざい」とか出てきちゃうし。
ただ、職場の同僚なんかは「〇〇まとめで見たー」なんて言ってたりするので、世間的には頼りにされているんですよね。
この差が不思議な感じです。
私はまとめ記事を書いたことはありません。
スカウトされてもまとめ記事はすべてお断りしてきました。
まとめ記事ライターから言わせれば「書いたこともないくせに」となるのでしょう。
だから、堂々となんやかんや言うために1記事だけ応募して書いてみました!
今回はまとめ記事を実際に書いてみて思ったことをつづります。
まとめ記事作成の良いとこ
まとめ記事作成は確かに簡単でした。
普通の記事より自分で考える部分が少ないので、初心者でもすぐ書けます。
文字単価だけ見ればオイシイ
私が書かせてもらったまとめ記事は「引用8:執筆2」の割合でした。
引用込みの文字数で文字単価0.5円。
執筆部分だけ考えるとなかなかもらえますね。
これならやる人が多いのも納得。
まとめ記事であふれかえるのも納得です。
マニュアルが分かりやすく操作も簡単
クライアントから送られたマニュアルはカラフルで画像も豊富。
そのまま何かのパンフレットになりそうなくらい、とても見やすかったです。
操作も簡単。画像ボタンを押して画像を選ぶ、引用ボタンを押してペーストする、というように直感で操作できました。
説明書を読まないタイプの人でも楽勝、パソコン初心者にも優しいですね。
登録用アドレスももらえた
まとめサイトの投稿には、サイトへの登録が必要です。
フリーメールとはいえ登録するのは嫌だなと思ったのですが、クライアント側でアドレスを用意してくれていました。これは嬉しかった。
フリーメールとはいえ私のアドレスを使うことがなく安心でした。
まとめ記事作成の悪いとこ
プラス面を書いてきましたが、やっぱり私としてはマイナス面が目立ってしまいました。
ものすごく時間がかかる
操作は簡単で引用がほとんどなのに、私は「書いたほうが早いわ!」と思ってしまいました。
正直1時間程度で終わるだろうと甘く見ていた部分もありましたが、結局3時間かかりました。これは予想外。
主な原因は3つ。
- 構成しづらくまとまらない
- 引用できるサイトが見つからない
- コピペが多くてすさまじく面倒
まとめサイトはツギハギ感が否めないのですが、最終的にそれでもある程度納得できるクオリティにしたかったので、とにかく検索しまくりました。
構成しづらくまとまらない
自分の中で簡単に構成を作ってみたものの、当てはまる引用文なんてなかなか見つからないんですよね。
見出しごとのつながりを意識しつつ規定文字数を目安に構成したのですが、結局引用文字数は大幅にオーバー。
欲しい文と欲しい文の間に余計なものが入っていても取り除けないのがつらかったです。
引用できるサイトが見つからない
検索をかけるとまとめサイトやキュレーションサイトばかり。
一応マニュアルには「まとめサイトからの引用禁止」としかありませんでした。
それでも一次情報とまでは言わなくても、せめて素人がまとめた感のないサイトから引用したいと思っていました。
結論から言うと無理でした。
上位100サイトを見ても同じようなサイトばかりで、泣く泣くキュレーションから引用。罪悪感です。
ささやかな抵抗ではありますが、引用後のコメントには自分の体験など、オリジナルの情報を入れるようにしました。
コピペが多くてすさまじく面倒
文もURLもサイト名も引用なので、とにかくコピペコピペ。
管理画面との行ったり来たりが非常に面倒でした。
画像の引用については特に記載はなく、文の引用と同じような認識のようでしたが、すべてフリー画像を使いました。
(ここで著作権違反する人もいそう…)
こちらもサイト名とURLをコピペ。
コピー機ってこんな気分なんですね……。
達成感ゼロ
ものすごく時間をかけたのですが、できあがったのは私の言葉ではないんですよね。
そう思うと達成感はまったくなくむしろ後ろめたいというか屈辱的というか、そんな変な気分になりました。
この記事は誰かの役に立つのだろうか。役に立つ記事を検索する人の邪魔になるだけではないだろうか。
自分の言葉や入念なリサーチをして記事を書くことに慣れすぎていて、まとめるだけという作業は最後まで抵抗がありました。
結局オイシイのが悔しい
自分で文を書くのは難しい(面倒)という人にとっては、いいお小遣い稼ぎになるんだろうなと実感しました。
変な矜持を持たなければキュレーションサイトからの引用でいいのですし、慣れれば1時間もかからないのかもしれません。
時給換算でバイトと同じくらいになります。
でも自分の言葉で記事を作り上げる快感を知っていたり、まとめ記事は見なかったりする人にとっては、精神的にやりたくない仕事だなと痛感しました。
とんとん
まとめ記事に思うこと
今後もまとめサイトは増え続けるのでしょうか。
関わったクライアントやワーカーを責める気はありませんが、実際に関わってみてもやはり良コンテンツとは思えませんでした。
「まとめでみたから安心」「分からないからまとめで調べる」という風潮は、まとめ記事をさらに増殖させ、価値ある情報を埋めてしまうことにもなりかねません。
信憑性の低いキュレーションサイト同様、何らかのテコ入れを期待します。
同時に、私も言葉を全世界に発している身。
信用を失うようなものは書かないようにしなければならないと身が引き締まる思いです。
最後に。
今回まとめ記事をかかせてくださったクライアントには、直接は言えませんが感謝の意を伝えたく思います。ありがとうございました。